- その二 -
| 色差し準備 寸法、図案の位置がきまりましたら、仮縫いをばらし、色注しの作業に入ります。まずはその準備段階です。布地に青花で下絵を写した線に沿って、「糸目糊」(豆知識参照)というものを絞り出していきます。ちょうど、絞り袋と口金でケーキにクリームのデコレーションをする要領で、硬い和紙でできた三角錐の筒を使ってこの糸目糊を絞り出していきます。かなり細い線引きですから、熟練を要します。糸目糊の後は、海草の「ふのり」を煮出して、全体に刷毛塗り致します。これで、色を染める時の色むらを防ぐことができるのです。これは「地入れ」という作業です。 |
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| 色差し本番 基本的に染料で絵を描く作業ですが、細筆を多用した繊細な仕事が要求されます。基本色は「赤・黄・青・緑・紫」。この5色からいろいろな色を創作いたします。水彩や油絵の具と違うのは、色を重ねることはあまり致しません。パレット代わりの白い小皿の上で色を決めましたら、一度の色注しで勝負です。赤に水を少し足すことでピンクになりますし、黒からは同様にしてグレーが作れます。「水」も大事な絵の具です。少しの水加減で微妙な色の変化を表現していきます。何色か混ぜ合わせて良い色を作り出すこともしますが、一つ間違えると汚い色になるだけです。友禅作家それぞれの経験と持ち味が、この色作りに活かされると言えます。 |
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<豆知識〜糸目糊>この糊は、色と色を染め分けるための防波堤の役目を致します。糸目糊は江戸時代からの製法で、もち粉、米ぬか、食塩、亜鉛末を使って捏ねたり煮詰めたりお団子にしたりして作ります。出来上がりの粘度状態は長年の勘に頼ります。今は、化学処理で染められる着物が殆どで、この糊を使える職人さんもめっきり少なくなりました。 | |